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世田谷の司法書士三谷のブログ

数次相続の登記(2)~相続人が1人になった場合~

2014年8月28日 (木)

数次相続の案件の中でも、意外と多いのが最終的に相続人が1人になってしまった場合です。最初の相続の登記手続をしないまま、次の相続が開始してしまい、最終的に1人が相続することになるのですが、どんな登記手続を行うか?

この場合、最初の相続があった時に、遺産の分配について協議がされていれば、その協議書の内容に従って登記することができます。①最初の協議内容が単独の相続であれば、中間の登記を省略して、最終的な相続人を直接登記名義人とする登記をすることができます。②最初の協議内容が複数の相続人が相続したというものであれば、中間の相続登記をしたうえで、次の相続登記を行います。

問題になるのは、最初の相続があった時に、遺産の分配について協議されていない場合です。こちらのケースの方が多いのではないでしょうか。事例で考えてみます。

【事例】父Aさん、母Bさんの間に子Cさんがいて、先に父Aさんが亡くなり、次に母Bさんが亡くなりました。子Cさんは、父Aさんの相続があった時には、母Bさんがその手続を処理してくれたと思っていましたが、実際には何もされていなかったという場合です。

【検討】結局、父Aさんの遺産全部(不動産を含む)をCさんが相続することになるのですが、不動産についての登記の仕方で、次の①、②の方法が考えられます。①、②のいずれの方法で登記するかによって、納付する税金において大きな差が生じてしまうことがあるのです。

①最初の相続について遺産分割協議がされないで、次の相続が開始したので、法定相続として処理するとします。すると、母Bさん、子Cさんが持分2分の1づつを取得する共同相続登記をしたうえで、母Bさんの持分2分の1をCさんが相続するという2件の登記申請をすることになります。

②Cさんの身分関係の地位をみると、Aさんに対しては直接の相続権取得者であり、Bさんに対しては、BさんがAさんから取得した相続権を相次いで承継する地位(遺産分割協議権の承継)に立ちます。最終相続人Cさんは、二つの身分を併有することから、 「遺産処分決定書又は遺産分割協議書」を作成することが可能だと考えることができるのです。そうすると、「遺産処分決定書又は遺産分割協議書」を添付して、最初のAさんの相続開始により、直接Cさんに所有権を移転する旨の1件の登記申請により処理できるものと考えられます。(平成26年東京法務局世田谷出張所において登記完了)

②の方法は、当事者のために登記経済の見地からも考慮されるべき方法です。①と比べると、2回の相続で移転する不動産の分量が少ないので、不動産の価格によっては、納付する登録免許税額に大きな差が生じるからです。

相続税の観点からみても、①と②のいずれの方法で子Cさんが、最終的に不動産の所有権全部を取得したかによって、Cさんが相続税を納付すべきかどうか、また納付する場合にその税額で、違いが生じる可能性があります。不動産の価格が高額であれば、父Aさんから相続する財産の評価、母Bさんから相続する財産の評価が、①、②の場合で大きく違ってくるのです。不動産が父Aさんの単有か、ABの共有か、遺産全体の中に占める不動産の割合等によって結果が異なります。事前に十分検討したうえで手続きを進めることをお勧めします。


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